利用者から頂いた投稿をコラムとして掲載していきます。
利用者コラム
[歩行訓練日記/近隣編]
今年の目標の「わーくぴあ」までの、自力歩行での通所を目指す歩行訓練が3月下旬からついに始まった。
今回、歩行訓練を指導してもらうのは「横浜訓盲院」の女性「歩行訓練士」。
歩行訓練士に指導してもらうのは「神奈川県総合リハビリテーションセンター/七沢」に一年間入所していた時、訓練を受けた「ベテラン歩行訓練士」のK氏以来二人目となる。
週一日の予定で始まる訓練が、初日は大雨と強風で中止になり、何とも「前途多難」を予感させるSTARTとなった。
訓練初日は、挨拶もそこそこに「第一関門」となる自宅からバス停までの歩行を取りあえず見てもらう事になった。
ここ数か月、「わーくぴあ」通所のため週に数日は同行ヘルパーと通っている道、そして「晴眼者時代」にも歩いていた道なので、完全にルートは頭に入っている。
自宅から最寄りの駅までの距離は15分ぐらいか? 「晴眼者時代」の時には、もちろん歩いて通勤等をしていたんだけど、BLINDになってからはバスを使う事にした。
住んでいる場所は坂道の途中を入った所で、それと道路がいわゆる「碁盤の目」にあまりなっていない地域で、BLINDになった現在、覚えて一人で歩いて駅まで行くのは不可能と判断して、バス通勤を選択するしか無かった。
なので住んでいる「高級住宅街」(苦笑)を周っている「小型循環バス」を利用する事にしたので、バス停までが最初の「第一関門」目標地点と言う事になる。
で、自分の軽快な歩行を見ての「歩行訓練士」の感想なんだけど、なんと!大きなため息をつきながら「七沢でちゃんと歩行訓練しました?」と「先制パンチ」を頂きました(涙)。
自宅からバス停まで晴眼者なら5分ぐらいの距離か? 十字路、斜めに降りていく坂道、団地それとバス停付近にあるスーパーの買物客が注意点なんだけど、少々のフライングはあったにせよ「晴眼者時代」のスピード並みで到着する事は出来たと思ったんだけどね。
歩くのが速い、白杖の振りが左右バラバラなのでリズム感が悪くなっている、前方の安全をちゃんと確認していない等々、目的地に安全に着く事が大事な事で「速さ」は二の次と、スーパーに買い物に向かう人混みの中、歩道の脇で指導されていました。
何だか小学生の頃、廊下に立たされて先生に注意されていた時のシーンが頭を過り「オレは、いったい何やっているんだろうか? この歳で。」恥ずかしい?色々な感情が沸いてきました。
誰かにやらされている訳でも無く、自分で歩行訓練を受ける事を決めたんで仕方が無い事なんだけど、いきなり気持ちが「折れそう」になった訓練初日となりました。
近隣で何とか通用しても駅やバスターミナル、初めて行く場所等ではその歩き方だと危なく、ここでしっかり基本からやった方が良いと言われました。
十分に理解出来たが、幼少の頃から住んでいる街では無いにしろ、近所での訓練は早々に終わらせて、次に進みたかったのが正直な所だった。
それほど知り合いはいないにしろ、近所での白杖を持っての訓練にはまだわだかまり?が少々あったが、しっかり腰を据えて訓練する事にしました。
友人が、白杖の練習している姿を周りの人に見てもらうのも良い事では?と。
誰もがドラマや映画の主人公みたいに、視覚障碍者が急に白杖を持って簡単に歩ける訳でもなく、訓練が必要な事と理解してくれるのではと言っていたが、果たしてどうかな?
この先、人に手を借りる事もあるだろうから近隣の人達には十分に宣伝出来たか?「視覚障碍者が近くに住んでいます。」なんて渋々ながら、思う事にしたよ。
それと歩行訓練士が、自分の希望している交通手段等のルートを確認してくれて、バス停、駅などの「点字ブロック」の不備を見つけ、役所に点字ブロックを要請してくれました。
歩行訓練士が、そういった事もしてくれるとは全く知らなかった、彼女だけなんだろうか?
他の利用者との訓練の時も、点字ブロックに問題があれば役所に連絡しているそうです。
「視覚障碍者」当人からも連絡した方が良いとの事で「横浜市交通局自動車本部」に自らも電話をして、点字ブロックを要請してみました。
おおむね前向きに考えてくれるとの事で、後日、区の「土木事務所」からも連絡があり現場を見て検討し、随時進行具合?を連絡してくれるとの事でした。
まさか自分で「点字ブロック」を要請する事になるとは思わなかったけど、どうなるかな?
期待してしばらく待ってみる事にします。
これを書いている現在、歩行訓練は「第二関門」に突入!果たして次の難題は、何だろうか?
では、またの機会に!
LOU REED
「WALK ON THE WILD SIDE」を聴きながら JUN BLIND
注釈 点字ブロックは正式名称を「視覚障害者誘導用ブロック」といいます。